〈那須2人殺害〉長女(31)もついに殺人罪で起訴「やましいことは何もしていない」「私の逮捕は見せしめだから…」と話していたが、計画には最初から関与か
東京・上野の繁華街で飲食チェーンを展開していた「サンエイ商事」経営者の宝島龍太郎さん(55)幸子さん(56)夫妻が殺害され、火をつけられた遺体が栃木県那須町で見つかった事件で東京地検は7月18日、夫妻の長女の真奈美(31)と内縁の夫の関根誠端(32)=ともに東京都世田谷区=ら7容疑者全員を殺人罪で起訴した。また、栃木県警と警視庁の合同捜査本部は同日、真奈美被告を死体損壊と死体遺棄の容疑で再逮捕した。4月16日に発生した稀に見る猟奇的な殺人事件は、約3カ月の捜査で大きな節目を迎えた。
事件のこれまでを振り返ると…
他に起訴されたのは犯行現場の空き家(品川区東品川)を管理していた不動産業の前田亮(36)、首謀者の関根被告から計画実行を依頼された指示役の佐々木光(28)、仲介役で犯行に使用した車を提供などした平山綾拳(25)、実行役として雇われた元子役俳優の若山耀人(20)と韓国籍の姜光紀(20)の5被告。
起訴状などによると7人は共謀して4月15日夜から同16日未明にかけ、宝島さん夫妻に睡眠薬を飲ませたうえで首を絞めるなどして殺害した。
事件は4月16日早朝、那須町伊王野の林道脇の河川敷で男女の遺体が燃えているのが見つかったことで発覚。2人とも両手を結束バンドで縛られ、頭部をビニール袋と粘着テープでぐるぐる巻きにされ、仰向けにX字に重ねられていた。
龍太郎さんの身元は当日に判明したが、幸子さんは顔面を鈍器ようなもので激しく殴打されてぐちゃぐちゃに骨折しており、身元判明まで一週間を要した。
集英社オンラインは事件発生当日から総力取材を開始し、これまで多数の記事を掲載して事件をフォローしてきた。
事件解明に大きく寄与したのは、仲介役の平山被告だった。発生翌日の4月17日朝に犯行現場近くの警視庁大崎署五反田駅前交番に「事件に関係しているかもしれない」などと出頭し、合同捜査本部が設置されるきっかけとなった。
遺体運搬用の乗用車を提供したことなどを自供し、依頼を受けた「アニキ」と称する佐々木被告や、自身がスカウトしてきた実行役の飲み仲間である若山被告、姜被告の存在が次々に浮かび上がり、芋づる式に逮捕された。
サンエイ商事の幹部社員で宝島夫妻の番頭格だった関根被告の関与が決定的になり、懇意にしていた不動産業者の前田被告が犯行現場を提供していたことも判明。
さらに真奈美被告も一連の計画に当初から関わっていた可能性があり、一網打尽にされたという流れだった。
結果的に両親が一代で築いた飲食チェーンを娘夫妻が乗っ取ろうとした挙句、殺害にまで至ったという鬼畜のような犯行だが、龍太郎さんと幸子さんは上野の繁華街でライバル店と激しい客引きを繰り返してトラブルを起こし、訴訟沙汰にまで発展していたことから、真奈美被告は当初の取材に「同業者に狙われたのかも」などと煙幕を張っていた。
さらに「この事件は映画みたい」と他人事を装っていたが、事件一カ月後にサンエイ商事の社長に就任して両親からの“簒奪”を達成した後は、部下に「わたし逮捕されるかもしれない」「自身が逮捕されるのは関根と前田が黙秘しているから見せしめとしてだ」「やましいことは何もしていない」と話していた。
部下たちは真奈美被告の言葉を信じていたが、新社長の長女は起訴された。
6月27日に移送された真奈美容疑者、報道陣を前に動じることなく歩いていた
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那須2遺体事件、夫妻の長女ら容疑者7人を殺人罪で起訴 東京地検
今年4月、会社役員の宝島龍太郎さん(55)夫妻が殺害され、栃木県那須町の河川敷で焼損遺体で見つかった事件で、東京地検は18日、殺人の罪で夫妻の長女、真奈美容疑者(31)やその内縁の夫、関根誠端(せいは)容疑者(32)ら7人を起訴した。一連の捜査は区切りを迎えた。
ほかに起訴されたのは、関根被告の知人、前田亮容疑者(36)、指示役の佐々木光容疑者(28)と平山綾拳(りょうけん)容疑者(25)、実行役の姜光紀容疑者(21)、若山耀人(きらと)容疑者(20)。
起訴状などによると7人は共謀し、4月15~16日、東京都内で宝島さんと妻の幸子さん(56)に睡眠薬を飲ませた上で、首を絞めるなどして殺害したとしている。
捜査関係者によると、関根被告は宝島さん夫妻が経営する飲食店のマネジャーを任されていたが、近年は経営方針を巡って対立。犯行を首謀したとみられる。
また、警視庁・栃木県警合同捜査本部は18日、真奈美被告を夫妻への死体遺棄、損壊容疑で再逮捕した。真奈美容疑者を除く6人はすでに同容疑で逮捕、起訴されていた。
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栃木・那須2遺体 長女を死体損壊容疑で再逮捕 殺人罪でも起訴
栃木県那須町で4月に会社役員の宝島龍太郎さん(55)夫婦=東京都千代田区=の遺体が見つかった事件で、警視庁と県警の合同捜査本部は18日、殺人容疑で逮捕された夫婦の長女で会社役員の宝島真奈美容疑者(31)=世田谷区=を死体損壊と死体遺棄容疑で再逮捕した。捜査関係者への取材で判明した。
事件を巡っては、真奈美容疑者の内縁の夫で、主導役とされる会社役員の関根誠端(せいは)容疑者(32)ら男性6人が夫婦に対する死体損壊罪などで起訴され、殺人容疑で再逮捕されている。
真奈美容疑者の再逮捕容疑は6人と共謀して、4月16日未明から朝までの間、那須町の山中の河川敷で、龍太郎さんと妻の幸子さん(56)の遺体に火を付けて損壊し、遺棄したとしている。
捜査関係者によると、真奈美容疑者は殺人容疑で逮捕された際、「知りません」と否認していたが、その後は黙秘に転じているという。
宝島さん夫婦は、東京・上野のアメ横近くの繁華街で約20の飲食店を経営。関根容疑者はうち数店のマネジャーを務めていたが、経営方針を巡って夫婦とトラブルになっていたとみられる。
真奈美容疑者は夫婦の経営する会社の取締役を1月に辞任し、事件後の5月、死亡した龍太郎さんに代わって代表取締役に就任していた。
捜査本部は、関根、真奈美両容疑者が飲食店の経営権を独占するために、夫婦の殺害を計画したとみている。関根容疑者は報酬と引き換えに指示役に夫婦の殺害を依頼し、それが仲介役や実行役に伝わったとみられる。
東京地検は18日、真奈美容疑者を夫婦に対する殺人罪で起訴し、関根容疑者ら男性6人を殺人罪で追起訴した。
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